湾岸プロマネ日記

モバイル一筋18年|転職経験ゼロ|純血サラリーマンが人生をエンジョイするための生き様を伝えます

【MBA/MOT】東工大MOTに挑戦する社会人の悩み

私は2009年に東京工業大学の技術経営専攻、いわゆるMOT(Management Of Technology)という専門職修士に社会人として挑戦を始めました。仕事をしながらの受験、通学でしたが、周囲の協力もあり、2年間で無事に修了することができました。
振り返ってみると、大変でしたがよい経験ができた、という普通の感想です(笑)。とはいえ働きながらとなるとそれなりの時間を費やすことは確かで、受験、通学、その後と各フェーズで様々な悩みがあるのではないでしょうか?
私自身が経験した悩みと、その悩みにどうやって向き合ってきたかについて、少しでも参考になればと記事を書くことにしました。

MOTを考え始めた当時の私の悩み

当時の私は社会人8年目。
2000年に新卒入社した会社でキャリアアップを重ね、10年で開発プロジェクトマネージャーになるという入社当時に立てた目標に向け、締めの3年間で新しい部署でチャレンジしている最中でした。もうすぐ目標に手が届くという高揚感と異なる分野での手探り感が当時の私を突き動かしていたのだと思います。
エンジニアの方でしたら理解していただけるかもしれませんが、入社以来7年間、携帯電話の電気設計やプラットフォーム設計のリーダーをやってきた人間が、突然、組込みSWプロジェクトマネージャーのプログラムオフィスに異動しました。転職とかジョブチェンジとは比べ物にならないぐらい小さな変化かもしれませんが、当時の私には360°異なる仕事に見えてました。

そんな中で小さな不安が芽生えたのが東工大MOTを考えるキッカケとなりました。
開発プロジェクトマネージャーになった後どうしよう?

つまりキャリアプランに対する悩み。
10年のスパンでそれまで走ってこれたのは、社内の開発部署に数通りのキャリアパスが何となく存在していたからだと気が付いた瞬間でした。

  • 目標がなくなることの不安
  • お手本がないことの不安
  • キャリアパスを自分で切り開くことへの不安

目標に向けてがんばっているハズなのに、ふつふつと湧いてくる不安、悩み。これらを払しょくすべく、自分のキャリアプランについて真剣に考えた結果、マネジメントを目指すことにしました。マネジメントといってもだいぶ幅が広いので、私の興味がある技術に関連したマネジメントについて調べていくと、

『技術』 × 『マネジメント』 = 『技術経営』

つまり、MOTとなりました。(2018年8月現在でもGoogle先生の検索結果で第一位ですw)
因みに『なぜ東工大MOTなのか?』はレジメを書くときに重要なクエスチョンですが、これは別の機会にしたいと思います。
(記事を書き次第、ココにリンクを貼る予定ですw)


東工大MOTを受験中の私の悩み

試験対策やノウハウについては様々な媒体で紹介されています。受験を決めた当時の私も情報をむさぼっていました。本であれブログであれ、その情報の中で確実に書かれていることがあります。それは受験生へのエールです。
社会人が大学、大学院を受験するときは、当たり前ですが高校生の受験生とは異なる悩みが存在します。合格できるか、時間の使い方、仕事との両立、家族への説得、学費・費用、その後の効果、等々、キリがありません。それらを乗り越えてとにかく試験を受けるところまで持っていくには、それなりのモチベーションとエールが必要だからでしょう。

別に社会人がわざわざ大学に行かなくてもマイナスになることなんてないので、上記の『悩み』は受験を諦めることへの『言い訳』に突然変異します。
『悩み』が『言い訳』に変異する前に私が心がけていたことは2点。

悩みの種類を特定し、対策をあらかじめ用意しておく

  • 合格できるか →とにかく試験勉強する
  • 仕事との両立 →睡眠時間削る、早起きする、飲み会に行かない
  • 家族への説得 →将来の見込み
  • 学費・費用 →国立だから安い、もしくはへそくりためておく
  • その後の効果 →合格してから考えろ

悩みそうになったら悩む時間を作らないようにする

  • 小論文を書きまくる
  • MOTやマネジメントの本を読みまくる
  • 英単語・英熟語の暗記

悩む時間を作らないことと、悩んでも自己暗示できるワードをあらかじめ準備しておくこと。自分なりに愚直にやった結果、無事に脱線することなく受験を迎えられました。これはMOTを修了した今でも何気に役立ってます。

合格できるかどうかはまた別の考え方が必要なので、また別の記事を書き次第、ココにリンクを貼る予定です。


東工大MOT通学中の私の悩み

分かっていたことだけど、働きながらなのでとにかく時間が足りない、というのが唯一の悩みだったと記憶しています。
水曜日は職場の品川から途中抜け出して田町に講義を受けに行ったり、土曜日は朝9時から18時までミッチリ詰め込んで、ゼミメンバーと飲んで帰る日々。平日は朝晩家の書斎でケーススタディやレポートの作成、そのための課題図書を電車で読書。ときには品川駅を降りてから港南口に続くコンコースを歩きながら読んでたことも(本読むの遅いので・・・)。
社外の新しい仲間も増え、一緒に切磋琢磨しながら、仕事も充実し、学問も充実し、とにかく満たされている気分。多少物足りない部分もあったり、不満もありましたが、概ね想像通りの学びの機会でした。


東工大MOT修了後の悩み

2011年9月、無事2年間で修了し、2か月後の11月に目指していた開発プロジェクトマネージャーとして新しいキャリアに挑戦することになりました。あれから7年、どうやって技術経営をするのか、どうやってマネジメントになるのか、試行錯誤してきた7年間でした。

大学院で学んだことをそのまま使えるケースなんてたかがしれてます。ですが、脳みそに汗かきながら必死に論理を組み立てたり、沢山の人を巻き込んでゴールに向かっていったり、社外のステークホルダーと上手く技術ロードマップをアラインしたり、築いた人脈と刺激しあったり、まだ抽象化した概念に落とし込めていないものの、大学院で学んだ経験が確実に役立っていると実感しています。

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著の「LIFE SHIFT、100年時代の人生戦略」を読みました。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)


今のご時世、60歳で定年退職して余生をイージーモードで楽しむという旧世代に設計された人生を歩むことはありえないと共感しました。その中で自分の資産を増やすため、自分の知識や知恵をメンテナンスするために、いつか、どこかでまた学ぶ機会が確実に訪れると考えてます。

どんな分野が世界の主流になるのか、どんな分野に自分が向かうのか、今は悩みというよりもはや興味に近い感覚があります。
目の前が多くの選択肢で溢れる中で、『悩む』より『興味』という感情が支配しているのは、10年前に東工大MOTを目指したときに悩みに悩み抜いた経験があるからだと今は確信しています。

社会人で大学院に行くこと、経営の勉強をすること、それだけが全てでは無いし、それが成功へのフリーパスであるわけがありません。
しかし、この一連の挑戦は、未来に対する『悩み』を『興味』に自動的に変異させてくれる、非常に強力なツールを私に与えてくれました。




本ブログのMBA/MOTカテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。
www.nittakeshi.com