私の資産運用方針は基本的に投資信託長期塩漬け作戦で、家計をガチで守ってます。
幸いにも余剰資金があるため、年利5%~の個別銘柄&多少土地勘のあるモバイル業界をターゲットにしてみます。
その中でも最近話題の『5G』をキーワードに、5G関連銘柄について調査開始しました。
5G(第5世代移動体通信)と関連銘柄
楽天証券による特集「5G(第5世代移動体通信)と関連銘柄」が2018年6月15日に発行されています。
流石にみなさま、既に折込済みです。この特集では5Gに関連した情報や企業を概ね知ることができます(ただし日本が中心)。
さらに調べていくと、三井住友トラストアセットマネジメントから、もはやこれぞ『5G』という投資信託が登場してました。
その名も、
『愛称:THE 5G』(笑)
当然ですが、既に三井住友からファンドができてますね
— にったけし@湾岸×副業サラリーマン (@nittakeshi) 2018年8月1日
『愛称:THE 5G』(笑)
しかもパフォーマンス、イマイチ。
キーサイト・テクノロジーズはいいかもですが、測定器メーカー(アンリツ、ローデ)の熾烈な争い。
次世代通信関連 世界株式戦略ファンド
愛称:THE 5Ghttps://t.co/V4RKDA0hX7 pic.twitter.com/dmqO3RM0cp
とはいえ、中身を見るとパフォーマンスがイマイチで、組み入れ銘柄見る限り、5Gというよりスマホ業界。レポートでは、低パフォーマンスの理由として、世界経済の影響や、トランプ政権の保護貿易主義をあげていますが、そもそもサチったスマホ業界の先行きに対する期待感(焦燥感)がでてるだけではないのかと。
5G関連銘柄『THE 5G』の中身
個人的には、5Gはスマホ業界以外でネットワーク化を必要としている産業に対して大きな機会がある技術インフラだと思っています。
上記の『THE 5G』の月次レポート(2018年7月31日)を見ると、組入上位10銘柄は以下。
- SKハイニックス 4.16% (韓国)
- アナログ・デバイセズ 4.13% (米国)
- アリババ・グループ・ホールディングス 4.02% (中国)
- メディアテック 3.81% (台湾)
- TモバイルUS 3.48% (米国)
- ゼブラ・テクノロジーズ 3.43% (米国)
- マーベルテクノロジーグループ 3.35% (米国)
- キーサイト・テクノロジーズ 3.19% (米国)
- メラノックス・テクノロジーズ 3.19% (イスラエル)
- TDK 3.05% (日本)
半導体、EC、通信事業者、インフラ、部品メーカーで、これらのプレーヤーは、4G時代のスマホ業界となんら変わりありません。5G業界は中国、米国、韓国がリーダーシップを熾烈に争っていることは間違いないので、これらの国に偏るのはアリだと思います。
また、既存業界に偏りすぎている感が見てとれますが、スマホ以外の業界に対して成長が見込める既存プレーヤーとして、コアデバイスメーカーが組入れられていることもうなずけます。例えばSKハイニックスのメモリーは、今後自動車業界でも広く使われていくことでしょうし、下記の記事でコンデンサー不足が記事になるぐらい、既に織り込み済みの材料かと想像します。
空前のコンデンサー不足、太陽誘電が新工場検討
newswitch.jp
5G関連銘柄の選び方
5Gの3つの基本概念は、以下です。
- eMBB (enhanced Mobile BroadBand) =高速・大容量化
- mMTC (massive Machine Type Communication) =端末接続数
- URLLC (Ultra-Reliable and Low Latency Communications) =低遅延・超高信頼性
これらを組み合わせて、あるユースケース専用に最適なリソースを割り当て、ネットワーク効率を高めつつユーザーに最大限の恩恵を提供するのが5Gの肝です。
部品メーカーの需要が高まるのは、「5Gがモバイル業界以外にも恩恵があること」と「何がキラーユースケースになるか誰も想像ができないが、部品はいずれにせよ使用される」からですが、Value Chainを考えるとさらに深掘りができそうです。例えば部品メーカーを中心に考えると、
- 部品メーカーの上流
5G NR仕様を満たすフィルターの材料を扱うメーカー
- 部品メーカーの下流
5Gの高速信号を部品間で通せる基板メーカーやコネクターメーカー
などなど。
ということで、やっぱり個人的に5G銘柄を探すことにします(笑)
5G関連銘柄を選ぶに当たっての業界調査
主に海外の5G関連情報について、日本語でポイントを絞って説明してますので、下記のモバイルカテゴリーもご参照ください。
www.nittakeshi.com
4Gまでの進化は携帯電話やスマートフォン等、いわゆる個人向け移動体通信デバイスに限られてきました。5Gが世の中に及ぼす影響は計り知れません。5Gの導入により、通信機能を待ち望んでいたデバイス、サービスが一気に動き出します。ネットワークにつながることによる経済成長は、21世紀初頭に代表されるイノベーションの1つであることは間違いありません。投資家たちが5G関連銘柄に注目するのは、ネットワークの破壊的な価値を十分認識しているからだと個人的には思います。
とはいえ、「ヨーイドンッ!」で5Gの世界が一斉に始まるかというと、間違いなくそうではありません。仕様の策定にまだまだ時間を要し、仕様で定義しきれない部分を、野心的なテクノロジーカンパニーが、覇権を握るべく独自実装したりします。
また、過去からの連続である大容量通信以外の、高品質低遅延のユースケースは、おそらく5G導入の3~5年後にしか本当の恩恵は受けられないと言われています。なぜなら、5Gに何年も投資してきた分、早くサービスインすべく、EPCという4G世代のコアでノンスタンドアローンとして始めざるを得ません。既存のLTEセルが5G NRに置き換えられ、アンカーを5Gコアで制御でき、エッジコンピューティングを絡めて、ネットワークスライシングを最適に提供できるようになって、初めて高品質低遅延のサービスが展開できるようになるでしょう。
このように、テクノロジーの進化がそれを開発するメーカーを刺激し、徐々にサービスが展開され、経済に影響を及ぼすまでのタイムラグをどう判断するか、投資家のみなさまに試されているのではないでしょうか。そういった意味で、現在の『THE 5G』が適切な銘柄を選んでいるのか、答え合わせは2025年にすることにしましょう。
本ブログの資産運用カテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。
www.nittakeshi.com