湾岸プロマネ日記

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5Gコアネットワークの範囲~低遅延の実証実験から予想~

次世代通信技術5Gの3つの特徴のうちの1つ、低遅延。花形のユースケースでいうと、自動運転や対戦ゲームが思い浮かびます。国民の共有財産である周波数を無料で使用する通信事業者にとって、より社会的な意義があるチャレンジをして、総務省からポイントゲットしたいところ。その1つが遠隔医療(妄想)。

 

2019年1月現在、米国や韓国で既に5Gが商用化されましたが、未だ基地局間通信やCPE(ユーザー宅内装置)と限られたケースで開始されている状況です。その中で、各社がパートナー企業と様々な実証実験を行い、その進捗具合を内外にアピールしています。

 

私自身もどんなネタがあるのか、記事を漁ってますが、今回はちょうど同じようなタイミングで、日本、中国で尖閣医療の実証実験が行われた記事を見つけましたので、その紹介、および、比較をしてみます。

 

目次

 

 

NTTドコモ、5G使い和歌山で遠隔医療実験

jpn.nec.com

非常に短い記事ですが、NTTドコモが和歌山県立医科大学と協力して、28GHz帯を利用した遠隔医療実験を行ったとのこと。Active Antenna System基地局にはNECの基地局を使用。

 

そもそもの目的は、山間部の町であっても、専門医によるアドバイスが受けられる環境整備のため。直線距離で約30km離れた場所へ医療関係者が往復6時間かかるところを、リモートでできるようになることが目的です。

 

4Kテレビ会議システムによるリアルタイムコミュニケーションを利用し、4k接写カメラで撮影した患者の画像や、エコー写真、MRI画像の共有をして、大学病院の専門医が問診や診療をアドバイスしたようですが、画像が不鮮明、画像送信の遅延といった課題があったようです。

 

想像していた、遠隔手術で臓器摘出、みたいな派手な感じではなく、できるところから医療現場を改善しようという着実な試みです。

 

 

 

中国で世界初の遠隔手術(動物でね)

www.independent.co.uk

 

そうこうしているうちに、クローン人間を作っちゃう中国が、既に遠隔手術をしちゃいました。ただし、対象は動物です、流石に。。。

 

約40km離れた場所でロボットアームを操作し、(何の動物かは言及されてませんが)実験用動物の肝臓を摘出したとのこと。その際の遅延は0.1秒(100msec)。それ以外の情報が無いので何とも言えませんが、摘出後にその動物は日常生活がおくれるように回復したのか、摘出した肝臓が移植に耐えられるような状態なのか。まぁ、ご想像にお任せしますってところでしょうか。

 

 

 

日本のケースと中国のケースの比較

日本の場合は遠隔地にいる医師への指導、中国は患者さんをロボットアームを操作しての手術、ということで、要求される技術要件が全く異なります。ネットワークリソースをどのように高速通信と低遅延に割り振って、ネットワークスライシングをバーチャライズで実現するのか。

 

とはいえ、5G低遅延の実証実験をする上で、遅延がどのように発生するのかを測定する上で、恐らく通信事業者のコアネットワーク内に閉じて行っているものと予想します。なぜならインターネットが間に入ってしまうと、桁違いで予測不可能なトラフィックによる遅延が発生してしまうからです。

 

今までググってもなかなか見つからなかった、通信事業者のコアネットワークの範囲が、大体30~40km程であることが予想できたという意味で、私にとっては素晴らしい記事だったと思います。

 

 

今後も5Gのトピックに関して、独自の視点で配信していきたいと思います。

 

本ブログのモバイルカテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください

www.nittakeshi.com