湾岸プロマネ日記

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MOTの使い方~企業で生かすには~

MOTで技術経営を学び、いくら実務に落としやすいようにケーススタディに励んでも、その所属企業特有のプロセスや力学を理解せず、理論だけで周囲を巻き込んでも、「あいつ意識高い系」というレッテルを貼られますので要注意です。せっかく学んだMOT、所属企業で生かす方法を提案します。

 

目次

 

 

まずは心構え

現場の課題をまとめてくる社員は、マネージャーにとって非常に心強い存在です。硬直化した組織では、わざわざEmployee Surveyと謳って、外部システムを使って、匿名性を担保された状態でフィードバックを求めます。現場からの問題指摘や改善提案をすると、文句言う奴というレッテルを貼られ、査定や昇進に響くと思われているからです。

 

また、単に学校で学んだという理由で、実績もないあなたが、戦略立案にいきなりアサインされることはないでしょう。では、どうするか?

 

見も蓋もありませんが、やっぱり近道はありません。自分の上司にしっかり能力を認められ、周りの部署を巻き込めるよう、上司を動機付けなければなりません。それには、まず、自分の部署の課題を構造化することから始めるべきだと思います。

 

 

職場での課題を構造化する

MOTでしこたま鍛えた脳ミソをフル回転させ、今の職場の課題をとにかく見つけ、構造化する。それが実際に起きた問題であろうと、改善したい課題であろうと、中期的な目線をもって解決方法を考えていくと、それは組織的に取り組まなければならない戦略に落とし込むことができます。

 

いくら構造化できたとしても、いきなり事業戦略や技術戦略として、マネージャーの領域にブチ込むことはお勧めしません。ましてや、人員配置や組織構造などもっての外です。ポイントとしては、現プロジェクトの学びから、次のプロジェクトへの改善提案ぐらいの時間軸を意識したアクションポイントがよいと思います。

 

その中で、中期的に解決しなければならない課題に対し、次のプロジェクトでは解決が難しい、もっと仕込みが必要なことを相談ベースでもっていきましょう。上司はとにかく、何か物申したいのです。物申す隙を作れればこっちのものです。上司は自分のアイディアや指導が取り入れられて、自分の未完成な策を完成させてあげたんだ、と、気持ちよくさせることができます。自分で勝手に動機づけられるので、その後がやりやすくなります。

 

 

周辺の部署を巻き込む

周辺の部署は関係なく、自分の部署のみで企業の課題が閉じることはまずありません。自分の上司を気持ちよくさせた後は、隣の部署のマネージャーにアプローチします。ここで間違いを犯してはいけないのは、隣の部署の問題や課題を、ずけずけと分析して指摘することです。どう考えてもその部署のマネージャーは怒りますよねw。

 

もちろん、そのターゲットの部署の問題や課題を、あらかじめリサーチしておくことは必要です。その課題と共関連する自部署の課題を見つけます。その上で、自分の部署が抱えている課題を洗い出していたら、お隣の部署にも協力してもらいたい、と切り出す寸法です。あわよくば、そのお隣の部署で、課題解決に向けた人員を出してもらうことができれば、仲間が増えてやりやすくなります。

 

ここまできたら、あとはネズミ講で、どんどん周りに仲間を増やし、どんどん体系的な課題、改善案が出来上がってきます。

 

 

垣根を越えて指名される

課をまたぐ経験と実績を基に、部をまたぐ、部門をまたぐと、どんどん垣根を越えていく。その途中でどんどん仲間を作っていく。大企業で大きな仕事を任されるには、このような基本動作を続け、実績を作る以外の近道はないと思います。逆に言うと、このように地力や人脈を作り上げられるのが大企業のいいところ。

 

毎年訪れる中期戦略立案ですが、コツコツと成果をだしていれば、上司からの推薦や、周りのマネージャーからのご指名がかかることでしょう。積極的に垣根を越え、でしゃばらずに振る舞い、色んな人を巻き込みながら、自分の成長を客観的に見つめましょう。

 

私は転職したことありませんので、言う立場にありませんが、こうしたスキルは個人のポータブルスキルとして、転職後に役に立つであろうとエージェントには認められています(お世辞かもw)。実際にこのようなスキルを生かして、転職市場でステップアップしている方は、ご意見を頂けると嬉しいです。

 

 

 

最後に

戦略思考の下地がない職場環境であれば、自分で地ならしするしかありません。残念ながら、大企業であっても、部長~部門長クラスですら、戦略は二の次で、とにかく手触り感があって、今直面している課題に対する方策、特効薬が欲しいと思う方もいるかもしれません。

 

過去の経験の延長で逃げ切れるのであれば、その人自身の判断としてはよいでしょう。しかし、沢山の従業員を抱え、持続可能な事業を引き継いでいく、責任ある立場の態度ではないと思います。そのような環境にいる場合は、クーデター的なプロ社員活動が必要になるかもしれません。

 

この活動を通して培ってきた人脈を生かし、中間管理職をすっ飛ばして、話が分かるトップマネジメントと話す機会を伺うのが得策かもしれません。軽いクーデターを成功させたことはあるのですが、私が唯一、転職の準備を本気でしたのは、その失敗に備えてでした。ちゃんと備えておきましょうw。

 

 

以上、MOTで学んだ技術経営を、どうやって所属企業で生かすのかについて提案しました。

環境によってアプローチは変わると思いますが、環境に適応できるように、MOT脳を使って考えてみてください。相談や意見交換もしたいと思いますので、ぜひ、メッセージを頂ければと思います。

 

 本ブログのMBA/MOTカテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。 

www.nittakeshi.com