湾岸プロマネ日記

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【モバイル】海外5G通信(2018年7月16日週)

2020年の東京オリンピックに始まる次世代通信規格5G。

 

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携帯電話だけではなく、ネットワークに繋がることで、破壊的な付加価値を産み出すであろうデバイスやサービス。そうした産業のすそ野を広げるのが、真の5Gの破壊力です。

 

5Gレースで進んでいるのは日本だけではありません。むしろ海外の方がサービス開始が早かったり、技術開発が進んでいる会社が山ほどあります。

 

普段なれない英語で書かれたサイトを読むのが億劫な方、海外の5Gの情報をザックリ知りたい方に、日本語でポイントをまとめていきたいと思います。

 

 

 

 

Huaweiは5GでSamsungをそのお膝元で市場を食うであろう

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-07-15/huawei-pushes-to-upset-samsung-in-south-korea-s-5g-network-race

HuaweiはUSでSecurity問題で非難される中、韓国3オペレータに対してネットワーク機器の納入に奔走している。初回契約はおよそ$9bil。

韓国は国策として5G rolloutのトップランナーになろうとしている中で、世界中のサプライヤがネットワーク機器を売り込みにきている。

Huaweiは世界最大のネットワーク機器メーカーに成長し、5G技術に対しても積極的に投資をし、特許でも大きな役割を果たしている。この成長はトランプ大統領がBroadcomのQualcomm買収を阻止したときに明るみになり、中国企業が次世代ネットワーク開発で先陣を切ることになった。

SKTの副社長はHuaweiは他社よりも早く積極的に開発に取り組み、ベンダー選定には非常にオープンなスタンスでいることを表明した。Securityの懸念がありながらも、韓国オペレータは技術力とコストも注視している。3オペレータは人口を上回る5600万人のサブスクライバがおり、ベンダー選定にはコストが最重要課題だとしている。SKT/KTがSamsnung, Nokia, Ericssonと同様に中国メーカを重視している上で、 LGU+はHuaweiを選定しようと望んでいる。

一方でSamsungはネットワークベンダとしてはHuaweiに後塵を拝しており、地元(韓国)の恩恵を受けているが、Huaweiが低価格とカスタマーサービスで攻勢をかけている。

未だHuaweiにはSecurityへの疑問がある。1987年に中国軍人により起業された企業は今民間企業であるが、中国政府との繋がりやデータ漏えいの非難が続き、USでは販売が認められていない。

 

SamsungはHuaweiに対抗し、5G機器の信頼性を訴えかける

www.zdnet.com

Samsung電子は3.5GHzと28GHzの5G機器を発表し、通信事業者に対してタイムリーに展開していくと約束した。

Samsungのネットワークビジネスの社長は、マーケットシェア20%、収益の80%を海外から見込む。

5G時代には新サービスが溢れ出し、セキュリティが重要になってくる。Samsungは最も安全なセキュリティサービスを提供すると述べた。このコメントは現在米国と豪州で取り上げられている、5Gネットワークに中国ベンダーであるHuaweiを採用するかどうかのセキュリティ問題に向けられている。

マーケットシェアは、Huaweiの28%に続きEricssonは27%、Nokiaは23%。ZTEは4番目の13%で、Samsungは5番目の3%。

Samsungは韓国オペレータの5G機器調達をHuaweiと争っており、2018年9月に決まる予定だ。トライアルを12月に始め、19年3月に商用開始計画。

Samsungは6月に決定された3GPP準拠の3.5GHzベースステーションを発表し、それが世界最小だと主張した。

 

もう一つの世界一が5Gをより身近にした

exchange.telstra.com.au

ゴールドコーストにあるTelstraの5G Innovation centerにて、世界最初の5G NSR end-to-endのデータコールを商用モバイルネットワークにて成功させた。EricssonとIntelが協力した。

Telstraの商用ネットワーク、TelstraのSIMカード、3.5GHzの商用周波数、Ericssonの5G NR radio 6488、5G EPCのベースバンドパケットコア、Intelの5G Mobile Trial Platformを用いた。

以前は26GHzのmmWaveにて、データコール、AU最初の5G公道車、AU最初の5Gモバイルゲームデモを行った。

Telstraは引き続き、グローバルパートナーと5Gテストを商用環境で行い、5G普及にアドバンテージを持つ。標準化が終わり次第、新しい周波数や5Gデバイスの準備を行う。これらの資産を用いて豪州全土で、都市部、地方都市、需要の大きいエリアでの普及を目指す。2G、3G、4Gでやってきたように、5Gでも豪州最初のモバイルテクノロジー企業として今後も活動を行う。

 

Ericsson、Intel、Telstraは3.5GHz帯で5Gのデモを行った

telecoms.com

ネットワーク機器メーカー、モデムメーカー、オペレーターのトレンドは、合同での商用5Gのデモをアピールすることである。Ericsson, Intel, Telstraは3.5GHzで行った。

どのデモでも5Gへのステップについて言及するが、このデモもしかりだ。このデモは5Gの遠距離ゲームがどれだけ素晴らしいかを説明するため、マルチベンダーでのラボベースでの試験をストックホルムで行った。

今回、3社はTelstraの5G Innovation Centerで最初の5G NSAでのend-to-endのデータコールを商用網で行ったと発表した。Telstraがライセンスを受けた3.5GHz帯でEricssonのRadio, Baseband, Packet CoreとIntelの5G mobile trial platformで行われた。

同時期にSamsungが3.5GHzと28GHzの5Gキットを発表した。現状3%のシェアを5Gで20%までもっていきたい考え。ZTEとHuaweiがUSで苦労しているのを機会としてとらえているようだ。

一方でSKTはSamsungとHuaweiの嗜好はなく、USのセキュリティ問題より価格競争力の方を重視している。HuaweiがSamsnungをメインの競合だと宣言していることを、EricssonとNokiaは喜ぶべきだと結んでいる。

 

韓国通信事業者は無駄な争いを避けた

telecoms.com

SKT, KT, LGU+は政府機関と議論し、殺伐とした争いを避けるため、5G商用化を3社同時に始めることに同意した。

一方でこれはルールではなく期待であり、協力して技術分散を抑制し、結果として相互接続性を高め、韓国全体として良いポジショニングを取ることになると考えている。

3.5GHz帯と28GHz帯の周波数オークションが先月行われ、SKTは100MHz帯域に約$1.1bil、KTは$870mil, LGU+は80MHz帯域へ$728mil支払った。

これらの周波数は今年12月から使用可能であり、3月の商用サービス開始に向けて準備を行う。

 

Orangeはパリで5G試験を開始する

www.computerweekly.com

ルーマニアでのテストが成功した後の数か月で、Orangeは5Gユースケースの試験を地元パリで始める予定だ。

フランス規制当局であるArcepは3.4-3.8GHz帯での周波数割り当てを容認し、顧客の期待と接続要件に対応するために、MNOへテストの機会を与えた。

オペレータは既にDouai, Lille, Marseille, Romaniaでテストを実施しており、新しいテストサイトは、通信品質向上と新サービス開発に使用できるとしている。パリ中心地のオペラにある旗艦店、Chatillonの郊外、Linas-Montlheryのレース場の新しい3拠点で行われる。

Chatillonでは5GラボでVR/AR、没入体験、4K/8Kビデオ。Linas-Montlheryでは自動車メーカーと共同で自動運転を行い、交通当局とは新しい賢い運行エコシステムの開発を行う

Operatorは5G戦略としてFWAやエンタープライズに注力しているが、既にFWAをCluj-Napoca, Romaniaで実施済だ。1km離れた場所で下り1Gbpsを達成しており、低負荷時にはAggregationをして3Gbpsを記録した

 

 

本ブログのモバイルカテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。

www.nittakeshi.com