湾岸プロマネ日記

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【プロマネ日記】プロジェクトマネージャーとエンジニアの関係

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仕事でもなんでも、人と関わっているときは、相手の気持ちを考えて行動しましょうというのは小学校で習いました。

最近でこそ、「人の気持ちなんてわかるか」や、「人なんてコントロールするもんじゃない」という意見もありますが、それも納得。

ですが、プロフェッショナルな仕事をしている状況では、仕事を進めるために、相手の業務のことを考えて行動しなければなりません。

相手の気持ちではなく、相手の業務を考えるという、軸をずらすだけでだいぶ気持ちが楽になりますね。

 

エンジニアとプロジェクトマネージャー、上手く仕事を進める上で、双方の視点で他方の業務が上手くいく事例を挙げたいと思います。

エンジニアとプロジェクトマネージャーを、ちょうど8年ずつ経験した筆者からの参考意見としてご覧いただければと思います。

 

 

 

 

エンジニアから見たプロジェクトマネージャー

エンジニアから見ると、プロジェクトマネージャーって、何となく派手じゃないですか?

経営層にプレゼンしたり、エンジニアチームの間を取り持ったり、メールやら会議でメッセージを発信したり、アシスタントの女の子がついたり。自分じゃ見えない景色が見えているようで、うらやましい、あんな風になりたい、って、入社してエンジニア1年生のときにあこがれてました。

 

ところが、エンジニアとして、そこそこ専門性を身に着けて、幅も広がってくると、プロジェクトマネージャーが立てた計画に対して文句言いたくなります。ちょっとした嫉妬心もあるのでしょうか。

「そのタスク、2週間って何考えてるんですか?」、「部品コスト、全然足らないっすよ」、などなど。自分が経験したエリアは自分が一番よく知っているのは当たり前ですが、その担当エリアのタスクを完璧にこなしたいのがエンジニア。一方で、全体のバランスを考えて、各チームが折り合いがつくように調整するのがプロジェクトマネージャー。個別最適と全体最適の間でトレードオフになるところを、どこかのチームに我慢してもらう調整が一番骨を折る作業ですね。

 

エンジニアは、お客さんが喜んでくれるサービス、売れる商品になるよう、技術という切り口で最適化する使命を持っています。また、プロジェクトの一員であることから、日程に対しても決められた期日でアウトプットを出す必要があります。コストや日程に対する課題に対して、全体のシステムを考えて技術的に解決できる策を、エンジニアに相談する形でプロジェクトマネージャーが問いかけることで、解決できた経験が何度もあります。

 

表面的には技術的な課題に見えない課題を、技術で解決するという視点にシフトできると、気持ちではなく業務に寄り添えるようになりますよね。

 

 

 

プロジェクトマネージャーから見たエンジニア

プロジェクトマネージャーから見ると、特に自分の出身母体じゃない分野のエンジニアって、何となく職人気質に見えませんか?

私は電気系とSW系の経験がありますが、メカ系は守備範囲外で、メカエンジニアとお話をしていると、現場現場現場現場、完璧な現場主義。それはいいことなんですけどね。実際に自分が見たことがない対象に寄り添っているので、正直、興味津々。プロジェクトマネージャー1年生のときに一番通ったのは工場でした。

 

ところが、プロジェクトマネージャーとして、そこそこ専門性を身に着けて、幅が広がってくると、エンジニアが立てた計画に対して文句が言いたくなります。ちょっとした支配感を出したいのでしょうか。

「その工程、もっと早くできないんですか?」、「部品コスト、高くないですか?」、などなど。競争のある業界では、エンジニアが技術レベルを高めて、競合他社よりも商品の付加価値を高め続けないと、途端に持続不可能な商売に転落します。プロジェクトマネージャーも同じで、どんどんプロマネレベルを高めて、効率的にプロジェクトを完遂させなければ、OPEXの無駄使いになり、投資効率が落ち、経営層にドヤされたり、最終的には株主からの批判を浴びることになります。そこまで考えてるサラリーマンプロジェクトマネージャーが、どのぐらい存在するのか知りませんが。

 

プロジェクトマネージャーは、お客様が喜んでくれるサービス、売れる商品になるよう、社内のリソースを最大限効率的に利用して上市する使命を持っています。そこにエンジニアが注入できる技術を最大限リスペクトし、できれば新しい技術にチャレンジして、ワクワクしながら働ける環境を準備してあげることが、プロジェクトマネージャーの使命かと思います。

 

エンジニアのモチベーション、パフォーマンスや効率を上げるといった、抽象的な気持ちの課題を、具体的な世界感や技術チャレンジという視点にシフトできると、気持ちではなく業務に寄り添えるようになりますよね。

 

 

 

エンジニアとプロジェクトマネージャーの共通点

表面的には見えない気持ちの問題を、技術という切り口で、業務とういう軸にシフトすることで、お互い会話が成り立つようになることを、エンジニア、プロジェクトマネージャーのそれぞれの8年間で実感しました。私はメーカー勤務一筋18年ですので、他の業界は存じ上げませんが、技術を武器に戦っている業界であれば、少なからず同じような経験をしている、エンジニアやプロジェクトマネージャーがいらっしゃるのではないでしょうか。

技術を使い、技術をマネージメントするという文脈が大好きな理系人間の私は、プロジェクトマネージャーへ転身した3年目に、技術経営専門職修士、Management Of Technology(略してMoT)を勉強するため、国内の社会人大学院に通いました。

詳しくは<【MBA/MOT】カテゴリーのご紹介 - 湾岸プロマネ日記>をご覧ください。

そこでは、様々な業界から、エンジニアの方々、エンジニア出身のマネージメントの方々が集まり、日々、議論を重ねていました。このような業界で、エンジニアとプロジェクトマネージャーの共通言語は、「技術」です。技術そのものを追いかけ続けることと同時に、それをどうマネージして、世の中を少しでも楽しく、便利にするかが、我々エンジニアとプロジェクトマネージャに問われている共通した課題ではないでしょうか。

 

 

本ブログのプロマネ日記カテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。

www.nittakeshi.com