湾岸プロマネ日記

モバイル一筋18年|転職経験ゼロ|純血サラリーマンが人生をエンジョイするための生き様を伝えます

大企業サラリーマンとしてキャリアを積むことにした理由

大企業かベンチャーか。就活生や転職組は、一度は考えたことありますよね。私は新卒で大企業製造業を選択し、その会社でキャリアを積み重ねること19年。なぜその選択をし、なぜそれを継続しているのか。そして、そのキャリア設計は結局どうだったのか。20年の節目を迎える前に振り返り、記事にしてみましたので、私の実体験が、選択を悩んでいる方に少しでも参考になればと思います。

 

目次

  

 

 

都内でキャリアを積みたい

2000年3月で大学院を修了予定だった当時、理系大学の就職課が集めているパンフレットのラインナップは、2019年現在とは明らかに異なります。製造業、重工・重電、SEといったところでしょうか。当時、どんな業界かという前に、自分は都内から離れるイメージが全く湧きませんでした。

 

秋田県で生を受け、小学生から都心に近い埼玉のベッドタウンで幼少期を過ごし、運よく都内の大学に滑り込んだ私は、東京のキャンパスライフが楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。一方で環境的には、就職氷河期が尾を引き、都外で新卒枠を準備できるのは、トヨタ、パナソニック等の体力がある大会社に限られました。双方が相まって、都内で大企業というラベリングが、既に潜在意識の中に刷り込まれていたのだと思います。

 

都内に開発拠点が集中してさえいれば、社内募集や配置転換があったとしても、せいぜい都内の別オフィスに職場が変わるだけ。わざわざ時間とコストをかけて引っ越すこともないし、生活の不安定さに折り合いをつける日常から解放されると思っていました。結果、その通りでした(笑)。就職してから親元から離れ、とある山手線の駅近ボロマンションに住んでいましたが、その街が好き過ぎて、行きつけのアイリッシュパブの従業員とも友達になり、今でも交友関係が続いています。結局、引っ越したのは、結婚を機に新居を構えるタイミングで、思惑通りに生活の不安定さを排除できていました。

 

就職して19年経った今、結婚して家族を持ち、空前絶後の低金利時代とはいえ、35年ローンでマンションを買い、子供を学校や習い事に送り出しています。家族を持つと今の環境から飛び出せなくなると世間で言われ、サラリーマンディスり界隈からも煽られますが、その通りだと思います。結果として、自分の家族も、生活の不安定さから解放させることができていると、自分では思っています。それをどう感じているかは別にして。

 

19年経った今、『勤務地=都内』で転職市場を探すと、魅力的な企業が沢山見つかります。私が都内趣向なので魅力的に見えるのか、会社自体が魅力的なのかは、私が掛けている色眼鏡を通して、もはや判別不能ですが、自分で自己満足できるぐらいに、自分をマインドコントロールできていると思います。

 

 

 

カッコいいハードウェアで世の中をワクワクさせたい

カッコいいハードウェアをキャリアの中心に据えることにしたのは、大学院の講義で工業デザイナーさんの講演を聞いたのがキッカケです。今でもボンヤリとその内容を覚えています。普段から手に触れている家電に重要なのは、どれだけユーザーの課題を解決するか。それだけだと思ってないか?という問いかけから始まる講演でした。

 

2019年では既に当たり前になりつつあるデザイン思考について、そしてそれを具現化する技術の進歩、人間が気づかない潜在的な課題を見抜く洞察力、様々な視点からハードウェアの魅力について淡々と語られていて、一気に引き込まれた記憶があります。因みにその講義は、毎回、外部の講師を呼んだり、担当の教授が興味深いトピックを紹介してくれる人気講義でした。例えばスターウォーズに出てくる、帝国軍の4足歩行戦車のウォーカーの歩行方法は、力学的に破たんしていることを映像から数式化して真面目に証明しておりました。

 

こうして、最新技術が盛り込まれた、高性能な民生用ハードウェアに魅了された私ですが、大企業を目指すにあたり、リスクを感じていました。当時の大学院生でも、会社に入ってからの配属先は、必ずしも希望が叶うものではないという、ガチャリスク。AV(Audio Visual)機器の開発をやりたいが、冷蔵庫や洗濯機の部署に配属されたらどうしよう、です。冷蔵庫や洗濯機をバカにしているわけでは決してありません。自分がカッコいいと思える範囲外のハードウェアの担当になったら嫌だという発想です。これを排除するために、大手企業の事業ドメインをしっかり調べて、就職先を絞ったら、結局1社しかありませんでしたw。

 

 

 

最新のテクノロジーに触れ続けたい

バリバリの国立理系大学に通い、大学院まで行ってみっちり6年間学ぶと、やっぱりテクノロジーが好きで好きで仕方なくなります。これは研究機関である大学のサイエンス指向には合ってませんが、私の大学はもともと産業に貢献するための理工系大学というルーツを持っているため、テクノロジーとはいえ、エンジニアリング指向の学生がほとんどだったように思います。

 

テクノロジーであれば何でもよいかと言われるとそうではなく、私の場合は組込み系のテクノロジーが大好きでした。ITやSEの分野では、強力なハードウェアパワーをベースにした、大規模ソフトウェアシステム開発が主流になりつつある時代。モバイル機器のように、バッテリ容量に制限がある中で、コンピューティングパワーを最適化する組込み機器のフィロソフィーに魅かれ、自分が作った商品が、たくさんのお客さんに使ってもらえるようになりたい。その気持ちは今でも変わってません。

 

AV機器をドメインとした、他の事業ポートフォリオがあれば、興味のある商品軸で分野をズラせる。飽き性の私にはこの条件も大事なので、選択肢はやはり大企業に絞られます。

 

 

 

グローバルカンパニーで世の中を知りたい

単純に世界を知りたかったという欲がありました。初めて海外旅行に行ったのは、就職活動を終えて、卒業旅行だったので、時系列的に言うと後です。最初の方で、都内で働きたかった、都内以外では生活をしたくなかったと書きましたが、海外は別というミーハーな大学院生でした。

 

当時でも、英語は大事だとか、これからは日本市場だけではなく世界が相手だ、といったフレーズが耳触りがよく、何となくカッコ良いと感じていました。ひょっとすると海外赴任もあるかもしれないし、頑張れば海外出張もできるかもしれない、そんな期待を抱いてました。

 

結果、入社6年目の12月に最初に海外出張に行く機会に恵まれ、途中お休みの期間がありましたが、年10回~月1回のペースで世界各国の拠点に、海外出張行けるようなポジションを得ることができました。

 

 

 

おわりに

新卒で大企業製造業を選択し、その会社でキャリアを積み重ねること19年。隣の芝は青く見えまして、社会人になって知り合った友達の話を聞くと、コンサルや商社、投資銀行など、魅力的な職業に憧れたこともありますが、今のところ、私が選んだ道も、それほど悪くはないなと思っています。

 

私の実体験が、選択を悩んでいる方に少しでも参考になればと思います。

 

 

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