部署異動や配置転換は、サラリーマンたるもの日常茶飯事。例えそれが自分の希望でないとしても、与えられた環境で最大限のパフォーマンスを発揮しなければ、天変地異でもない限りその部署で埋もれ、言いたいことも言えないまま、定年まで波風を起こさずにYESマンに徹する悲しい職業人生を歩むことになるでしょう。
部署異動でパフォーマンスを発揮するために、その分野での知見があるに越したことはありません。しかし、異動してきたということは、前からその部署にいるメンバーよりスペシャリティがある場合は稀と言えます。そんな環境の中、いとも簡単に移動先の部署で、しかも異動してきた人しかできないことがあります。それは、素人目線で業務プロセスを質問することです。
部署異動したときは誰でも素人だ
部署異動してきたときは、出戻りでもない限り、誰にとってもその部署では素人的な存在です。自分が素人と感じるのと同時に、相手からも素人だと思われます。自他ともに認める素人なのですw。これは全く悪いことではなく、素人であるが故に、ゼロベースで何事にも純粋に疑問をもてます。
信じて実行してきたサンクコストもなければ、愛着もありません。また、何かちょっとした粗相であれば、
「まぁ、○○さんは部署異動したばかりだし、しょうがないね」
などと、素人特権を利用して甘く見てもらえるのです。でも、そのままでは、何をもって新しい部署でハイパフォーマンスを発揮すればよいのか?という課題にぶつかります。
部署異動しても業務プロセスは一般化しやすい
情報工学などの技術的なことや、簿記などの専門的なことは、ある程度の知見がないと的を得た質問ができないことは想像できると思います。ところが、業務プロセスについては、最小単位としては、
- インプット
- 処理
- アウトプット
であって、それらを部署の全体レベルでまとめたのが、その部署の業務プロセスです。技術的なことや専門的なことが分からなくても、ある程度の社会人経験があれば、プロセスぐらいにはツッコめるハズです。私のコンピテンスであるプロジェクトマネジメントにおいては、むしろその専門といっても過言ではなく、どの部署に行っても素人気取りで業務プロセスに物申すことが可能です。
部署異動したときの注意点
素人目線で業務プロセスを見直すぞ!と、意気揚々になるのはよいですが、注意が必要です。その部署の業務プロセスは、部署のメンバーがチーム一丸となって最適化し、ある意味誇りを持って実行している場合があります。そのような生い立ちのある部署の資産に対して、素人目線で質問をする場合は一定の配慮が必要です。
「指摘」や「提案」ではなく、「質問」としている背景もココにあります。指摘や提案をするなと言っているわけではなく、自分が提案したい内容を、元からいるメンバーに自発的に気が付いてもらえるような「質問」が最適です。
そうすることで、質問を受けた側は、
- 部署異動してきた素人が右も左もわからずに質問してきた
- よく考えてみると答えられない、おかしいと感じる
- 改善しなきゃいけない
という話になり、元メンバーが自分で提案した気分にさせることができ、一方でよく気が付かせてくれた、よく質問してくれた、と、一目置かれることになるでしょう。
以上、部署異動したサラリーマンは素人目線を有効活用しよう、というテーマで書いてみました。部署異動したときに、ぜひ以上の方法を試してみてください。
本ブログのプロマネ日記カテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。