湾岸プロマネ日記

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MOTの使い方~課題解決で生かすには~

 MOTで学んだ技術経営を、所属企業で生かす方法シリーズ、「課題解決で生かすには」。この記事では、技術を扱う企業において、組織運営を行う現場のマネージャーが、組織の課題解決に生かす方法について考えます。自分も成長できるし、一目置かれるようになるので、控えめに言ってオススメですw。

 

この記事は2019年2月に執筆しています。FY2019の事業計画がまとまり、4月からスタートを切るべく、実行計画を建てている時期。この3か月程、事業計画立案の中で考えてきた、事業を運営する上での課題に対する解決策をどのように練ってきたか、その過程で何を思い、自分の成長に対してどう考えていたのかを書き記そうと思います。

 

目次

 

 

MOTで短期的な課題抽出

MOTでケーススタディをやらないところは流石にないと思います。各スクールで濃淡はあれど、ある企業の状況から課題を抽出して解決策を提示するのが一般的。私の個人的な感想は、解決策を提示する部分にはあまり意味がないこと。解決策は、その企業の構造的な課題を把握して、その企業文化に則った方法で実装しないと、それこそ絵にかいた餅。ケーススタディの重心は、限られた情報からどこに課題があるのか、欠損したパズルのピースを想像力で補完し、仮説を立てていくことだと思います。

MOTのケーススタディでトレーニングした、仮説思考、深掘り思考、それらの進め方を使ってぐいぐい課題を深掘りし、構造化していきましょう。年長者の経験は大いに使うべきだし、取り入れたことでその年長者の権威が付与されて錯覚的に重みが増します。とはいえ、せっかくMOTを学んだ我々は、会社を離れて学んだ一般的なスタンダードという権威をそこに付与する義務があると考えます。経験とスタンダードを組み合わせ、深掘りした課題のエビデンスを強化しましょう。

 

 

MOTは中期的な課題にこそ発揮できる

喫緊の課題と解決策は、普段から組織運営をしているマネージメントの頭の中にあります。もし、無いとしたら、諦めて自分が早くそのポジションにいけるようにがんばりましょう(笑)。マネージメントとよく相談し、考えていることを構造化することから、課題抽出をスタートしてもよいかもしれません。経験上、部長会や課長会などの週定例などで考えていることを口頭で伝え、方向性を微修正しているのですが、事業計画という骨太の方針に落とし込むには、流石に効率が悪いと考えます。

マネージメントの頭の中にある、もしくは会話によって産み出された既定路線の解決策には、穴があると考えた方が無難です。構造化を行うことで、それを丁寧に見つけ出して提案する必要があります。着目点は、日々直面している目下の課題に対して構造的に分析すると、今すぐ解決すべく手を打っているアクションの他に、多数のアクションの大本になっている、本質的に解決すべき事柄が必ず隠れています。

得てしてその本質的な課題は直ぐに解決できるものではなく、2~3年の中期的に取り組まなければならないことの方が多い。なぜなら、だいたいの課題は、技術的な課題、人的な課題、組織的な課題の3つにカテゴライズされ、そんな簡単に技術は育たないし、人も育たないし、組織も成熟しないからです。

技術的な課題+人的(エンジニア)な課題は自然科学で、組織的な課題+人的(マネージメント)な課題は経営学で、それぞれ相乗効果を狙って中期的な課題を解決するために、MOTは非常に強力なツールです。

 

 

課題解決は成長の機会

直近の課題と中期的な課題を構造化していると、当然その依存関係がバッチリと頭の中に浮かび上がります。直近の課題を担当しつつ、それを中期的な課題を解決する1ピースとして位置付けられれば、普段のアクションを行いながら、事業計画実行の中心にいることができます。

短期的な目標に対して成果をだせ、かつ、中期的な組織の課題にも取り組めるという成長の機会をもぎとることができます。全体の動きも見え、自分の短期的な取り組みが、他の課題に対してどのように関係しているのかも把握できるので、それらにGIVEすることで喜ばれるし、自分の幅がどんどん広がります。

例えば、スマートフォンのソフトウェアエンジニアが、カメラのデバイスドライバ実装から始まり、マルチメディア全般のモジュールを担当しているときに、スマートフォン全体のユーザーエクスペリエンスを中期的にどの方向性を目指すかを考え、それに求められるマルチメディアの課題に立ち向かうというストーリーに似ています。マルチメディアモジュールのパフォーマンスを高めつつも、その周辺のOSやアプリレイヤ担当とどんどん意見交換して進めていき、最終的にそのユーザーエクスペリエンスを最適化する。どう考えても成長しそうですね。

 

 

まとめ

MOTで企業の課題解決を行う上で、短期的と中期的の両方の課題抽出が重要なのは言わずもがなですが、それらの構造をきちんと把握すると、自分の成長の機会に結び付けられます。

自分も成長できるし、一目置かれるようになるので、控えめに言ってオススメなので、ぜひ試してみてください。

 

本ブログのMBA/MOTカテゴリーでご紹介している内容は、以下の記事をご参照ください。

www.nittakeshi.com